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ラーメンとチャーシューとメンマの関係

 

ラーメンスープの嗜好

TEPOREのラーメンについてのアンケート結果があるので、それをもとにラーメンについて考察してみたいと思います。

順番に見ていくと、始めに「ラーメン屋で食べるときによく食べるスープの種類」を聞いています。これは、今までにも地域によるラーメンの嗜好の差やっぱりラーメンは豚骨醤油のところでもラーメンスープに関するアンケート結果がありましたが、いずれも醤油味が1位でラーメンスープを「醤油」「味噌」「豚骨」「塩」と区分した場合は、醤油味が最も人気が高いということは間違いないようです。

そして、今回は「味噌」が2位になっていますが、「味噌」と「豚骨」は北海道を中心に東日本は「味噌」が嗜好され、九州を中心に西日本は「豚骨」が嗜好されていますので、この2つは調査する地域、年代の比率に左右され、ほぼ互角とみていいのではないかと思います。

そして「塩」となるわけですが、「塩味」については、幅広い人気はあるものの、この地域では圧倒的に人気があるという地域がないので、その点で、アンケートなどを取ると他のスープ負けてしまうようです。

 

ラーメンの具材の嗜好

続いて、「ラーメンに必ず入っていてほしい具材」について。

これは、予想通り1位は「チャーシュー」です。ラーメンスープの横綱を「醤油味」とすると具材の横綱は「チャーシュー」ということになります。

続いて、2位「しなちく・メンマ」、3位「ねぎ」となっています。以下、「たまご」「もやし」「のり」「なると」「コーン」「わかめ」「野菜」と続くわけですが、他のアンケート結果でも2、3位に「しなちく・メンマ」「ねぎ」が入っていたものを見かけた記憶があるので、ラーメンの具材といえば「チャーシュー」「しなちく・メンマ」「ねぎ」が3大人気となるようです。

 

ラーメンの具材の歴史

食とは保守的なもので、その歴史的背景は重要だという話は以前にもしましたが、ラーメンの具材の歴史的背景はどのようなものなのでしょうか?

東京ラーメン−日本でのラーメンの始まり−を見ていただくと、ラーメンの始まりとも言われる東京浅草の「来々軒」では始めトッピングは「チャーシュー」「ねぎ」そして「ナルト」でした。「しなちく・メンマ」ではありません。

元々、ラーメンは支那蕎麦といわれていたように、蕎麦・うどんの具材であった「ナルト」がラーメンのトッピングにも残ったようです。その後、「ナルト」はあまり使われなくなり、代わって「しなちく・メンマ」が使われるようになったわけですが、そう考えてみると「ナルト」はラーメンのトッピングとしてはあまり適していないのではないか?とも思われますが、ご当地ラーメンランキングでも書いている通り、「札幌ラーメン」「博多ラーメン」と並んで人気の「喜多方ラーメン」には「ナルト」が入っていることは、食の保守性、歴史的背景の重要さも物語っているのではないでしょうか。

 

チャーシューの語源

ラーメンの具材の歴史的背景を見てきたところで、ついでに具材の語源についての話です。

チャーシューは、漢字で書くと「叉焼」となります。「チャーシュー」という読み方は広東語で、「」は先端がフォークのように分かれた器具のことで、元々そのような器具に豚肉を刺して火で焙って焼いたところから来ているようです。

だから、正確にはチャーシューは焼き豚のことを指しますが、現在ではほとんどの店で、煮豚のことをチャーシューと言っているようです。もし、ラーメン店で焼き豚のチャーシューを作っているところがあったら、かなりこだわったお店といえると思います。

 

しなちく・メンマの語源

さて、次は「しなちく・メンマ」の語源についてです。前述のアンケートでは、わざわざ「しなちく・メンマ」としていますが、そもそも「しなちく」と「メンマ」はどう違うのでしょうか?

結論からいうと「しなちく」と「メンマ」は同じ意味なのですが、元々は「しなちく」と言われていました。漢字で書くと「支那竹」となります。

ラーメンの具材に「しなちく」が取り入れられる以前、すでに明治時代には台湾から輸入されており、専門業者は「干筍(ほしたけのこ)」とも呼んでいました。

敗戦後「支那」という言葉をあまり使わなくなり「メンマ」というようになったようですが、「メンマ」は、「麺の上に乗せる麻竹」という意味で、この語源からすると、「しなちく」は筍を干したものの総称で「しなちく」がラーメンの具材として麺に乗ったとき初めて「メンマ」となるようです。このことからも「ラーメン」と「メンマ」は密接な関係にあるといえそうです。

 

ラーメンとチャーシュー、そば・うどんとナルト

「チャーシュー」「しなちく・メンマ」の語源について話したので、ついでに「ナルト」の語源についても話しておきます。

「ナルト」は昆布に魚のすり身を塗り、食紅をつけて巻き、蒸したもので、切り口が「うず潮」のように見えることから「鳴門」がイメージされ「ナルト」と呼ばれるようになりました。

さて、ここで、「ラーメンの具材の歴史」で話したように、「ナルト」はラーメンには会わないのではないか?という話です。

「ナルト」は、昆布に魚のすり身を塗って作られているもので、いわゆる魚介系の食べ物です。そして、そば、うどんのダシも昆布、鰹節といった魚介系から取ります。

一方、ラーメンスープは鶏ガラ、豚ガラを煮込んで作ります。

このことから、魚介類からダシを取るそば、うどんの具材は魚介系の「ナルト」が具材として適し、肉系から作るラーメンスープには「チャーシュー」が適しているといえるのではないでしょうか。

 

ラーメンにおけるチャーシューの重要性

さて、ラーメンの具材として絶大な人気のチャーシューですが、このことが「ラーメンは外食する食べ物である。」という要素をより強くしています。(家庭料理に広島ラーメンを参照。)

家庭でラーメンを食べる場合、具材は特別に用意しないかぎりは、比較的買い置きのあるネギ、卵、キャベツなどの食材で作ることになると思いますが、だからこそ、ラーメン店で食べるラーメンには美味しいチャーシューへのこだわりが必要なのではないかと思います。

「チャーシューの語源」でも話しましたが、元々、焼き豚のことをチャーシューといいますが、最近はあまり手間のかからない煮豚がほとんどになっています。どちらにしてもチャーシューを家庭で作るのは大変なので、ラーメン店では是非、美味しいチャーシューの乗ったラーメンを食べたいものです。

 

まとめ

いかがでしょうか?ラーメンの具材でチャーシューが最も人気がある理由。

ラーメンの歴史を見てもチャーシューは必須の具材でしたし、ラーメンのベースが肉系の味にあることからもその相性の良さが感じられるのではないでしょうか?

一方、「ナルト」はアンケートでは好きな具材の7位とラーメンが始まった当初の支持を得ていません。しかし、喜多方ラーメンなどでは今も具材の主役となっており、「ナルト」は歴史と相性のハザマで揺れる微妙な具材となっています。

こうして、「ナルト」の歴史を知っていると、ラーメンを注文して「ナルト」が入っていたら、それはそれで、楽しく食べられるのではないかと思います。

ラーメンは麺とスープのこだわりはもちろんですが、具材にも目を向ければまた、食べる楽しさが広がるように思います。

(2007.6.5)

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