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札幌ラーメン -ラーメンの由来-

大正10年(1921)10月、大久昌冶氏は北海道大学正門前の写真館を廃業し、変わって「竹家食堂」をオープンしました。始めは親子丼やカレーといったものを出していました。そんなある日、王文采という中国人のコックと出会い、厨房を改造し、札幌に市制が敷かれた大正11年(1922)2月、「支那料理・竹家」と看板を架け替えました。

王さんの料理でよく出たのが支那そばで、麺はかんすいの代わりに炭酸ソーダを使っており、スープは鶏がら、豚肉、野菜を煮込んだ塩味でした。

当時、北海道大学に180人いたといわれる留学生や北大生などで賑わうようになりましたが、中国人客の多い竹家では、この支那そばの名称に問題があり、日本人客は「チャン(コロ)そば」といっていました。「チャンコロ」は当時の中国人に対する侮辱用語で、心を痛めた奥さんのタツさんが柳の葉を麺に見立て「柳麺(りゅうめん)」という品名を考えましたが、定着しませんでした。

そんな時、王さんの厨房からの「好了(ハオラー)」とラーにアクセントをつけた叫ぶ声から、ラーが耳に残り、「ラーメン」という名を思いつきました。ここで、中国語で麺の作り方を意味する漢字「拉麺」を品名としました。

ところが依然として客は「チャンコロソバ」と言っていました。そこで拉麺をカタタナで「ラーメン」とするとやっと馴染んでくれました。ここに「ラーメン」の誕生です。

その後、王さんは自営のため辞め、別の中国人コックを雇います。

その後も「支那料理・竹家」は益々繁盛し、大正14年(1925)、薄野(すすきの)に支店「広東料理・芳蘭」を出しました。大正15年(1926)、さらにラーメンを日本人向きのあっさり味に変えようと、スープは鶏がらからだしを取った醤油味で、トッピングは、チャーシュー、シナチク、ネギという現在も受け継がれるラーメンのスタイルが誕生しました。(日本でのラーメンの始まりで紹介した「来々軒」も「支那料理・竹家」も、昭和18年(1943)に戦時法令により、店を閉じました。)

そして昭和20年(1945)の敗戦後、札幌にも中国大陸から多くの人たちが引き揚げてきました。翌、昭和21年(1946)12月、その中の一人、松田熊七さんがラーメン屋台「龍鳳」を開業します。飲食の素人でしたが、中国スタイルを思い出しながらやったそうです。スープは豚骨醤油でした。

さらに翌年春、西山仙冶さんによって、屋台「だるま軒」が開業します。東京で中華料理やうどん、そばの修業を積んでいた西山さんの「だるま軒」の麺の評判は広まり、「龍鳳」も「だるま軒」の麺に切り替えます。この「だるま軒」の麺が札幌ラーメンの発展に貢献することになります。

さらに翌昭和23年(1948)、ツブ貝焼き屋台をしていた大宮守人さんは、「龍鳳」の繁盛ぶりを聞きラーメンに切り替え、ラーメン店「味の三平」を開業します。ここで、新しい試みとしてトッピングにモヤシを取り入れました。タマネギより安くつくからという理由で始めたらしいのですが、これが評判となり、札幌ラーメンの特徴ともなります。

屋台から店舗を構えるようになった人々によって、ラーメン店が建ち並ぶようになった路地は、昭和26年(1951)ごろから「ラーメン横丁」と呼ばれるようになり、今日も観光名所として知られています。

また、「味の三平」は、ラーメンのさらなる飛躍を目指して、日本人に合う味にと「味噌ラーメン」の研究に取り込みます。そして昭和30年(1955)味噌ラーメンは誕生します。その味噌ラーメンを食べた、大熊勝信さんは、この味噌ラーメンはいけると感じ、ラーメン店「熊さん」を開業します。

昭和40年(1965)、東京の高島屋で北海道物産展が開かれ、大熊勝信さんが委託された札幌ラーメンのコーナーが設けられます。ここで、味噌ラーメンに絞ったことが見事に当たり、「札幌ラーメン=味噌ラーメン」のイメージが確立されます。醤油ラーメンに馴染んでいた東京の人々は、味噌ラーメンにカルチャーショックを受け、東京に続々と札幌ラーメン店が誕生し、翌年暮れには1,000件にも達したといわれています。

味噌ラーメンの特徴は、加水率の高い(34〜38%)中太の縮れ麺、スープは味噌の他にバター、トッピングはモヤシなどの野菜の他、コーン海産物なども使う。現在、札幌のラーメン店は、2000〜4000件あるともいわれ、観光資源としても欠かせない存在になっています。

−札幌ラーメン−

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