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食の消費変化 

無職世帯が急増

日経流通新聞(2007.4.11)に、消費分析「無職世帯、最大勢力に〜増える退職者、消費構造一変〜」という記事が載っていたので、その話題から。

この記事のポイントとして

@高齢化を背景に無職世帯が増加し、年内にも民間ホワイトカラーを抜く見込み。

A無職世帯の大半は高齢者で、消費全体に占める高齢者の割合は4割まで上昇している。

B無職世帯の増加で、修繕・維持費が増えるなど、消費構造が大きく変質する可能性が高い。

という3点を挙げています。

では、この3点についてひとつずつ見ていきましょう。

 

@高齢化を背景に無職世帯が増加し、年内にも民間ホワイトカラーを抜く見込み。

まず、データのもとになっているのは総務省「家計調査」ということで話を始めます。

無職世帯の推移を見ると1988年(年平均)10.7%→1995年14.8%→2000年19.5%→2007年1月27.1%(民間ホワイトカラー27.3%)と年々増えてきて、無職世帯の大部分が年金生活者、60歳以上の高齢者であることを考えると、団塊の世代が定年退職を迎える2007年問題を背景に今後加速度的に増えていくのは確実で、無職世帯がもっとも多数派になる日も真近です。

A無職世帯の大半は高齢者で、消費全体に占める高齢者の割合は4割まで上昇している。

次に高齢者の消費割合が4割になっているということであるが、60歳以上の高齢者消費は1990年19.3%だったものが2007年には39.3%とこの20年足らずの間に2倍以上になっているのです。そして、60歳以上のうちの半分が無職世帯だということです。

 

高齢者そして無職世帯の割合は確実にハイペースで増加

年代別人口比率のグラフなどはよく見かけ、高齢者比率が高まっていることは認識していますが、@、Aの結果から、どのようなペースで高齢者の占める割合が増加してるかわかると思います。そして、定年後も働きたいという団塊の世代の方の話もよく見聞きしますが、やはり実際は無職世帯も急速に増加しているということがわかると思います。

 

B無職世帯の増加で、修繕・維持費が増えるなど、消費構造が大きく変質する可能性が高い。

では、無職世帯の増加で消費はどのように変化していくのか考えてみましょう。

勤労世帯と無職世帯の最も大きな消費支出の差があるのが教育費です。教育費は世帯主が40歳代がピークで次いで50歳代ですが60歳代になると急激に少なくなっています。

世代別に見た暮らしの特徴を見てみると、30歳未満は住居関係費、50歳代でペット関連費、60歳代で旅行関連費と年代別の生活スタイルがよくわかります。50歳代は子育てが一段落したらペットで癒し、60歳代は時間の余裕が出来て、いままであまり出来なかったのんびり旅行をするといったところでしょうか。

そして、60歳以上・無職世帯では60歳未満・勤労世帯に比べて、「設備修繕・維持費」「健康保持用摂取品」がともに2.5倍も多くなっています。

「設備修繕・維持費」には先ほどのデータからも30代で建てた家の修繕費もあるでしょうし、通常、年代とともに消費額が減る項目がほとんどの中にあって、唯一増えているのが保険医療費で、健康に関心が高まるのも当然といえます。

 

手づくりの料理を作っている高齢者

では、食品について見てみましょう。最近の家計収支(中段、下)を見ると、60歳以上では穀類や魚介、肉、野菜といった調理されていない素材の消費が圧倒的に多い(60歳以上49.0%、35〜59歳23.6%、35歳未満12.0%)ことがわかります。このことから、高齢者は先ほどの旅行を楽しむこともそうですし、料理に関しても時間をかけて素材のものから作ることを楽しんでいる。といえそうです。

では、高齢者(無職世帯)が増えると料理を作ることも楽しむから食費は増えるのでしょうか?これはそうともいえません。家計からわかる暮らしの特徴を見てみると、エンゲル係数(消費支出に占める食料費の割合。一般的に,エンゲル係数が低いほど生活水準が高いとされる。)は生活様式の多様化で下がってきていますし、「食料、調理食品及び外食の実質年間支出金額指数」を見ると、いままで見てきたことと一見、矛盾するように、調理食品が伸びてきています。

これはどういうことかと推測すると、企業が競ってより高付加価値食品を供給してきたため、消費金額が上がったと考えられるのではないかと思います。

 

広島ラーメン太郎のまとめ

さて、食品業界に身をおく者としては食費の支出は上がってほしいところです。では、どうすれば上がるのでしょうか?

高齢者(無職世帯)ということで考えてみると、年金生活で現在の収入はあまりなくても、貯蓄が最も多いというのも事実です。

そして、旅行や手作り料理を楽しむということでは、食事の時間そのものが楽しいものである必要があるのではないかと思います。そのためには、料理の素材の生産者情報など、その食材の背景や、料理の歴史を知らせること、そういったことが食事最中の話題になればより楽しく食べられるのではないかと思いますし、外食についても、勤労世帯が時間節約のためにする外食と違い、外食時には、料理の味はもちろん、店内のくつろげる雰囲気、接客といったこともこれまで以上に大切になってくるのではないかと思います。そいった意味で、お客様の立場に立ったトータルサービスということがポイントになりそうです。

そらから、もうひとつは孫のためにもお金を使いそうですね。孫は身近なところを見回しても特別かわいい存在のようなので、孫とおじいちゃん、おばあちゃんで食事に出かけた場合、たぶん孫の言いなり(孫には弱いような気がする)だと思うので、小中学生が行きたくなるようなお店もいいかもしれません。

(2007.4.11)

−食の消費変化−

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